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沖縄植物探訪2001夏(5)

生き物を相手にした研究というのは、大切なところ相手(生き物)に預けてしまうと先に進まなくなることが往々にしてあります。生き物の仕組みはブラックボックスが多いですから、それを全部解明してコントロール出来るようになれば良いのですが、現時点では無理な話です。今の材料植物に拘らず、言う事を聞いてくれる植物を探した方が良い場合が多々あります。カンプトテシンの場合、キジュという植物が目的なのでは無く、成分そのものが目的なのですから、同じ成分を含み、かつ扱いやすい植物があれば良いのです。早速、他の植物を調べてみました。

カンプトテシンが発表された1966年以来、他の植物にも同じ成分が含まれている事が次々に明らかになっていました。私が調べた当時(1988年頃)にカンプトテシン含有植物として知られていた植物をあげると、

・クサミズキ(1972年)クロタキカズラ科
・Ophiorrhiza mungos(1976年)アカネ科
・Ervatamia heyneana(1979年)キョウチクトウ科
・Merrilliodendron megacarpum(1981年)クロタキカズラ科

クサミズキ

写真は、クサミズキ(学名 Nothapodytes foetida、クロタキカズラ科) 八重山諸島、台湾、インドに自生する木本植物。
名前は「臭いミズキ」の意味で、葉を揉むと臭気を発するからとか、果実が嫌な臭いがする等の説明がされる事が多いですが、実際には葉も果実も特段臭くはありません。花の臭気がもの凄いのです。まるでガス漏れのよう。

これらの植物の中で実験材料としての取り扱い(組織培養やアグロバクテリウムの感染)が簡単な植物があれば良いのですが、どれも商業的に栽培される植物では無いようですから、入手するだけでも大変困難と思われました。リストを眺めると、一番気になるのはアカネ科の草本植物であるOphiorrhiza mungosです。熱帯、亜熱帯アジアからインドにかけて100種以上が分布する属で、日本にもサツマイナモリ(Ophiorrhiza japonica)とその変種、チャボイナモリ(O. pumila)、リュウキュウイナモリ(O. kuroiwai = O. liukiuensis)等が自生している事がわかりました。これらの中にカンプトテシンが含まれている植物がある可能性があると思われました。一般的に草本植物は扱いが簡単ですから期待は高まります。自生地での採集を計画し、分布を調べました。

サツマイナモリ属の分布

サツマイナモリは千葉県の清澄山を北限として、主に関西から台湾にかけて広く分布しています。
チャボイナモリは南西諸島から中国まで。リュウキュウイナモリは沖縄本島からフィリピンが分布域です。面白い事に、クサミズキも全く縁の遠い植物でありながら似たような分布域となります。

石垣島に行けば、すべての種類が手に入りそうだということが解った時点で、また行き詰まってしまいました。「島」とは言え、闇雲に探しまわっても目当ての植物が見つかるような事は無いでしょう。今でしたら、インターネットで検索すればかなり正確な自生地の情報などが簡単に手に入りますが、当時は人脈頼りになります。思ったような情報も得られないまま数年が過ぎ去り、仕事のテーマも変わりましたが、文献や学会報告などのウォッチングは定期的に行うことにしました。

数年後(1996年ごろ?)、薬学会の大会要旨集を見ていて驚きました。チャボイナモリの毛状根培養でカンプトテシンを生産したという研究報告があるではないですか。予想通りという安心感と共に、いつの間にか追い越されていたという悔しさが綯い交ぜになった複雑な感情は今でも思い出されます。研究報告は千葉大薬学部の相見教授によるもので、地理的にも近いですから機会を見て、話を伺いに行きたいものだと思いました。相見教授によるチャボイナモリからのカンプトテシン発見の経緯は、その後、薬学会の学会誌「ファルマシア」(1995年vol.31, No.12, 1363-1365)に詳しく書かれました。研究のきっかけは私と同様でしたが、日本各地で植物調査を行っていた萩庭教授(当時)との共同研究により、正確な自生地がすぐに判ったという事が最大の違いでした。チャボイナモリの成分に関する発表は1989年でしたが、実際に実験データが出たのはそれよりずっと以前の事であったのも判り、自らの情報収集力の無さに落胆したりもしました。決着はとうに着いていたのです。

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沖縄植物探訪2001夏(4)

2001年6月27日
明日は昼過ぎに出発なので、実質今日が調査最終日・・・となるはずでしたが、天候に恵まれたため昨日までに予定の仕事が終っていました。なら、折角夏の沖縄に来たのだからマリンレジャーを楽しんで帰るというのも疲れを癒すためには必要か?・・・と、不謹慎な事をちょっと考えました。が、今回の調査で気がかりな事があったので、実は再度於茂登岳に登ったのでした(苦笑)。何が気がかりだったのか?・・・ふふふ、それは現地に行かねば絶対に見つけられない事でした。その事についてはまた別の機会に紹介することとして、そもそも何で八重山でリュウキュウイナモリの調査をするに至ったかについて説明していませんでしたので、ここで経緯を紹介しておきましょう。

今から丁度20年前、筑波大学の遺伝子実験センターというところで働いていた私のテーマは、種々の薬用植物にアグロバクテリウム・リゾジェネス(Agrobacterium rhizogenes)という土壌細菌の一種を感染させ、細菌の遺伝子が導入されることによって発生する特殊な根(毛状根)を無菌培養するというものでした。この毛状根は、植物ホルモンを与えると簡単に元の植物体に戻ることから、遺伝子組換え植物を作製するためのツールとして期待されると共に、毛状根そのものが薬用成分を生産する事から、新たな薬用成分生産技術として期待されたのでした。

材料植物としては、トロパンアルカロイドを作るハシリドコロやベラドンナ、ナフトキノン色素であるシコニンを生産するムラサキ、そして今回のリュウキュウイナモリにつながる事となるキジュ(Camptotheca acuminata)があったのです。その後すぐに職場は変わったのですが、テーマであるキジュは新しい職場に持ち越しました。

キジュの実

キジュ(バナナのような実をくす玉状につけている) 中国は四川省を原産とするヌマミズキ科の高木。

この木にはモノテルペン系インドールアルカロイドの一種・カンプトテシンという成分が含まれていて、制癌剤としての開発が進められていた頃です。癌細胞の増殖を抑える働きがある事は、アメリカ・ガン研究所(NCI)の研究者によって1966年に報告されていたのですが、副作用が酷く医薬品としての実用化は断念されていたのです。それが、日本のヤクルト本社の研究者の手によって、副作用の少ない誘導体が開発され、医薬品としての実用化が目前となっていました。

重要な医薬品となる成分の生産が、畑で作った植物に依存しているとなると、その安定生産に不安があります。野菜の価格のように乱高下したり、ある年には収穫がゼロだったなどという事態はあってはならない訳です。そこで、先ほど紹介した毛状根の登場です。大きなタンクで無菌的に培養することによって、工場生産品のようにカンプトテシンが生産出来れば、医薬品の安定供給に役立つと考えました。

ところが、色々な植物に上手く感染していたアグロバクテリウムですが、どういう訳かキジュにだけは何度やっても感染してくれません。どうして良いかも解らず途方にくれてしまい、結局、感染を断念、放り出すことになりました。

沖縄植物探訪2001夏(3)

2001年6月26日 離島桟橋から高速船(安栄観光)で出発。西表島の船浦港まで40分弱で到着とのこと。
クーラーの効いた室内席と船後部の室外席があるのですが、折角だから沖縄の海風にあたって船乗り気分をちょっぴり味わいたいなどと思い、後部座席に陣取りました。
ところが、湾内では大人しかった船のエンジンが、湾外に出ると突如頑張りはじめ、猛烈なうなり音とともに水しぶきを後方に吹き上げるのでした。

高速船

こんな感じ・・・
まるで大型のモーターボートという感じで、時折、他の高速船が立てた波に当たって飛び跳ねます。しばらくは楽しんでいたのですが、こりゃたまらんと言う事で、軟派な(?)室内席に退散・・・。

あっという間に西表島に到着。羽田〜那覇〜石垣と飛行機の乗り継ぎ、さらに船で・・・と、思えば遠くまで来たものだなあと感慨深いものがありました。港のすぐそばの「山猫レンタカー」でレンタカーを手配。

白浜林道

あらかじめ森林事務所の方に教えていただいたリュウキュウイナモリの自生地である白浜に直行。

リュウキュウイナモリ@白浜

旧道に入り、田んぼを眺めながら進みます。しばらく行くと林の中に入りますが、その道ばたにリュウキュウイナモリがちらほら。さらに白浜林道の入り口に車を置いて、あとは徒歩で林道を行く事に。

林道の入り口付近は木々に覆われて日影が多かったものの、歩き進むにつれて日差しが強くなり地面もかなりの乾燥状態になっていました。お目当てのリュウキュウイナモリも乾燥のひどい場所は嫌いなようで、歩き進むにつれて徐々に個体数が減って行きました。1時間ほど進んだ所で、この先には無さそうということで引き返す事にしました。種子と葉を数枚採集して車に戻ります。

浦内川

浦内川河口で。
浦内川流域は「自然休養林」として解放されており、観光ボートで遡ることができます。今回は時間的制約があったので断念し、古見地区へ移動しました。古見でも種子と葉を採集し、20年ほど前にチャボイナモリが群生していたという大富地区へ。

西表島はほとんどが天然林で手厚く保護されていますが、それでも徐々に耕作地開発や観光施設の建築、道路整備によって姿を変えているようです。かなり探しまわったものの、目当てのチャボイナモリ群生地は見つけられず、数株から種子と葉を採集して帰路につきました。

沖縄植物探訪2001夏(2)

2001年6月25日
午前中は於茂登岳を目指します。途中、コンビニで昼食を調達、9時頃から登山開始、頂上で昼食をとり2時ごろまでには下山する予定です。

ヒカゲヘゴ

ヒカゲヘゴ(木性シダの一種)がお出迎え!
高さは5m〜10mにもなる巨大なシダで、恐竜時代を彷彿とさせます。こんな木があちらこちらに自生しているのですから、葉陰から恐竜がニュ〜っと顔を出しても不思議な感じはしないかも。

於茂登岳登山道への道

登山道の近くに車を置いて登山開始。林に入るまでは日差しも強く、気温もグングン上昇しているようです。目眩がしそう・・・。

リュウキュウイナモリ

登山道は湿度も高く、汗が滴り落ちて来ます。平日ですし、この暑さですから、他に登山者はありませんでした。
このリュウキュウイナモリはなかなか立派な株です。草丈は腰の高さくらい。姿形は大きいのですが花はとても小さく、直径数ミリの白花。全く目立ちません。

リュウキュウイナモリアップ

ちょっと近寄ってみましょう(別の株の写真です)。
この仲間は花序が独特で、八方にタコの足のように広がります。果実も独特の形で、逆三角形の平たいものです。果実が熟すと上方が割れて、芥子粒ほどの種子を多数バラまきます。

登山道

登山道はとても湿っていて、リュウキュウツワブキの丸い葉が目立ちます。葉の切れ込みに個体差があって、切れ込みの深いものはツワブキでは無いように見えます。このような切れ込みが深い個体は渓流型と呼ばれ、水の流れに対して抵抗が小さくするための「適応」と考えられているとか。

チャボイナモリ@於茂登

チャボイナモリ(学名 Ophiorrhiza pumila 撮影は2002年7月)

リュウキュウイナモリと同じサツマイナモリ属の植物です。草丈はとても低く、数センチ〜10センチ程しかありませんが、検索表を見ると、リュウキュウイナモリと見分けるポイントは草丈くらいで、他の形質は全く同じです。実際、リュウキュウイナモリの小さな芽生えはチャボイナモリと区別するのが困難です。このチャボイナモリ、面白い事に登山道の石などにへばりつくように生えていて、林内に入ると全く見る事が出来ません。日陰が好きな植物ではあるものの、林内の下草が繁茂している場所では暗すぎるのでしょう。人が作った登山道が丁度お気に入りの場所になったようです。

写真撮影と種子及び葉を数枚採集して山頂到着、昼食。
残念ながら頂上からの眺望はほとんどありませんでした。山頂付近で、大型のナンバンギセルとカンアオイ、ミズスギを観察。

予定通り2時頃下山。
ここで、先生が「怖いから見ないようにしているんだけど・・・」と謎の言葉を。
聞けば、於茂登岳はヤマビルが多いのだとかで、足首にぶら下がっている事があるとか
。恐る恐るズボンの裾をまくってみると、とりあえず大丈夫そうでした。他に、ハブ、マダニ、ヤマンギ、スズメバチ・・・亜熱帯には有毒系の怖い生き物が多いですね。熱帯・亜熱帯地方にはまた薬用となる生物も多いのですが、毒も薬も人間の都合による分類です。このような環境が様々な生き物や成分を育んでいると考えた方が良いのかも知れません。

飲料の自動販売機で「さんぴん茶」を購入。冷たいジャスミン茶は初体験でしたが、喉の乾きもあって、これが無茶苦茶美味しかった。お土産売り場で水出しのさんぴん茶を発見したので買い求め、自宅でも楽しみました。以来、夏と言えば「麦茶」に加えて「さんぴん茶」が定番になりました。ここ数年はペットボトルの「さんぴん茶」が近所のコンビニ等でも売られるようになったのには驚きました。

川平湾

夕方まで観光地で有名な川平湾周辺を散策。

アダン@川平

立派なアダンの木がありました。ヤシガニがこの赤いパイナップルのような実を食べるらしい。

モモタマナ@川平

モモタマナ(シクンシ科、別名コバテイシ)
街路樹などにも多用されていて、沖縄ではポピュラーな樹木です。樹形が独特(テーブル状に枝を広げる)なのと、亜熱帯では珍しい紅葉が見られるからでしょうか。
花は小さく目立ちませんが、アーモンドのような形の果実をつけます。中の種子は食用になるとか。葉にはポリフェノールが多く含まれるとかで、健康茶としての利用が進められているようです。まだ飲んだ事はありませんが・・。

沖縄植物探訪2001夏(1)

多良間島

2001年6月24日
長年の念願がかなって、石垣島行きの飛行機の中にいました。梅雨の明けた南西諸島は天気も上々で、はるか眼下にあるはずの島々が手に取れるように近くに見えました。6月28日まで4泊5日の植物調査期間中の天気も良さそうです。

この調査の目的は、八重山諸島でのリュウキュウイナモリというアカネ科植物(学名 Ophiorrhiza liukiuensis)、ならびにクサミズキというクロタキカズラ科植物(学名 Nothapodytes foetida)の自生地観察と実験材料採集です。西表島は国立公園に指定されている地域もありますから、事前に許可を受けての調査行でした。(写真は多良間島)

<旅程>
24日 羽田発/石垣島・北部の荒川・吉原海岸付近、バンナ岳付近の調査
25日 石垣島・於茂登岳登山道調査 川平湾散策
26日 西表島に移動/白浜林道、古見、大富付近調査/石垣島に戻る
27日 再度於茂登岳登山道調査
28日 羽田着

この植物調査の計画、もとはと言えば15年前に遡ります。ところが、「石垣島に自生している」という以外の詳しい自生地情報が皆無の状態でしたので、闇雲に歩いても見つかるはずはないと断念していました。それが、ひょうんな事から植物由来の天然有機化合物を専門に研究されている千葉大薬学部の相見則郎先生と一緒に仕事が出来る事となり、自生地調査の経験が豊富な先生にあつかましくも案内をお願いして今回の調査旅行となりました。

サザンゲートブリッジ

先生の定宿「大原ホテル」から離島桟橋、サザンゲートブリッジ方面の眺め。

梅雨明けの太陽は眩しく、気温も33℃と、最高の天気が我々を出迎えてくれました。ホテルの部屋で少々休んでから、北部海岸付近にてクサミズキの探索です。絶滅危惧種に指定されている植物で、もともと数が少ない上に自生地である海岸付近が開発された事が個体数減少の原因と考えられています。

沖縄と言えば「ハブ」。石垣島にはサキシマハブというハブの一種がいます。毒性は弱いというものの場合によっては命にかかわります。薮をつつくのは恐ろしいのですが、先生はどんどん薮に入って行ってしまいます。私も落ち葉がガサガサと音をたてる度にビクビクしながらクサミズキを探しました。結局この日は1時間弱の探索で2本の比較的小さな木を発見しました。植物採集が目的では無いので写真におさめて観察終了。石垣市内から近いバンナ岳の公園に向かいます。

於茂登岳遠望

バンナ公園の展望台から於茂登岳(中央、小さな鉄塔が見える)を望む。写りの良いものが無かったので、昨年11月に撮影した写真です。

於茂登岳は沖縄県で一番高い山です。標高526m。「明日はあの山に登りますよ」と先生は事も無げにおっしゃいますが、立っているだけでも汗が吹き出て来るくらいなのですから、本当に登れるのだろうかと思うと自信がありません。

展望台からの眺望を楽しんだ後は、公園内でリュウキュウイナモリを探し、数十本の自生を確認しました。公園内は市民の憩いの場所として整備が進められていて、今後もこの場所で育つ事が出来るのかどうか心配な感じです。丁度、果実が出来ていたので数個採集してホテルに戻りました。翌日からはいよいよ探索開始です。

大雪山旭岳の植物

旭川に行くと、飛行機の窓から送り迎えしてくれるのが大雪山系の山々です。
広大な大雪山系の中で、旭岳は旭川市内からも比較的近く、ロープウエイで簡単に行けて高山植物を観察することが出来る貴重な存在です。終点の姿見駅を降りて遊歩道1周、約1時間お花畑を堪能できます。私は2時間ほど歩き回りましたが。

旭岳ロープウェイ060726

100人乗りの大型のロープウエイです。

チングルマ060726

チングルマ(バラ科)
背後は鏡池。ここはほぼ満開状態ですが、ちょっと場所を変えると全て花が散った後で、果実ばかりになっていたりします。こういう高山では微妙な気象の違いが大きく影響するのですね。

池060726

すり鉢池
小さな写真は昨年の7月上旬の様子。2週間ほどの違いがとても大きいですね。

ツツジ060726

イソツツジ(ツツジ科)
名寄市では花が散った後でしたが、ここでは丁度満開です。

エゾツガザクラ060726

エゾツガザクラ(ツツジ科)
昨年は一面のピンク色の絨毯状態でしたのに、今年はほとんどが散った後でした。

いわぶくろ060726

イワブクロ(キツネノマゴ科)
群生している姿が美しい・・。

リンドウ060726

ミヤマリンドウ(リンドウ科)
実物は写真よりももっとブルーが強いです。

サクラソウ060726

エゾコザクラ(サクラソウ科)
ちょっと湿った場所に群生しています。近寄れなかったのでフォーカスが今ひとつです。

ハクサンチドリ060726

ハクサンチドリ(ラン科)

ツルアジサイ

ツルアジサイ(アジサイ科)
木登りするツル性のアジサイです。これは山麓駅近くで撮影。

エゾニュウ060726

エゾニュウ(セリ科)
山麓駅から帰る私を人の背丈ほどもある巨大なセリ科植物「エゾニュウ」が見送ってくれました。
「バイバイ! また来るよ〜」

北海道の薬用植物

7月下旬、医薬基盤研究所の薬用植物資源センター北海道研究部(名寄市)を訪問しました。
旭川市からさらに北方80kmほどに位置し、冬はマイナス20℃以下になる寒冷地です。ここで、カンゾウ、ゲンチアナ、ダイオウ、ケシ、シャクヤクなどの薬用植物に関する研究をしています。丁度開花していたものを中心に、普通の植物園では見かけない薬用植物を紹介して行きましょう。

ダイオウ060725

中国、四川省〜青海省、甘粛省を中心に自生する「薬用大黄」の一種、Rheum palmatum。
一枚の葉は両腕で円を作ったよりも大きなもので、花の穂は背丈よりも高くなる雄大なタデ科の多年草です。肥大した根茎や根に瀉下作用のある成分「センノサイド」を含んでいて、古くから下剤として使われて来ました。

ニガヨモギ060725

ニガヨモギ(キク科)
「アブサン」と呼ばれるリキュールの材料に用いられています。香気成分「ツヨン」に幻覚作用があるとされています。

オタネニンジン060725

オタネニンジン(ウコギ科)。いわゆる「チョウセンニンジン」です。
たまにホームセンターで苗が売られていますが、良く見ると「トウキ」というセリ科の薬用植物であることがほとんどです。誰かが勘違いして生産しているみたいです。

ガガイモ060725

ガガイモ(ガガイモ科)
多肉植物マニアならたいていは知っている「ガガイモ科」ですが、ガガイモそのものを見た事がある人は少ないのではないでしょうか? 私も初めて見ました。

イケマ060725

イケマ(ガガイモ科)
ガガイモもイケマも有毒です。毒と薬は紙一重ですから、かつては何かの治療に使ったのかも知れませんね。

イソツツジ060725

イソツツジ(ツツジ科)
葉を軽くもむと良い香りがします。クスノキの葉のような、木のような・・葉に香りのあるツツジ科って珍しいんじゃないでしょうかね。

ケシ畑060725

ケシ(ケシ科)
アヘンを採るために栽培される植物として有名ですね。未熟な果実に傷をつけると乳液が滲み出て来るので、これを丹念にかき取って集めます。

ケシ畑050710

これは昨年7月上旬の写真。
開花後すぐに花びらは散ってしまい、果実が急速に太ります。

ケシ坊主060725

鶏卵大の果実もあって驚きます。

ケシの畑は当然の事ながら一般公開はしておりません。観賞用としてもとても綺麗ですし、医療には欠かせない薬用成分を作る植物です。一部の悪用のために、限られた場所でしか見る事が出来ないのが残念です。
最近ではモルヒネアルカロイドを作る遺伝子の研究も進んでいて、近い将来は工場のタンクの中で製造されるようになるかも知れません。そんな技術が開発されたら、ケシという植物そのものは撲滅対象になったりするのでしょうか。

水元公園・・夏

このところ色々あって記事を書く時間がありませんでした。
それで、ちょっと前の話になってしまいますが・・

蓮060722

葛飾区の水元公園には大きな蓮池があり、花は7月中〜下旬ごろがベストです。
私の住まいの近くの妙典地区には、かつてレンコンを採るための蓮田が沢山あって、高校生の頃はその近くを自転車で通学していました。毎朝、沢山の蓮の花を眺めていたのですが、日常の光景故それほどじっくりと観察した事はありませんでした。その後、宅地開発によって蓮田は住宅地に変わり、蓮の花を見る事も無くなってしまいました。今では、蓮の花を見ようとすると、車で時間をかけて出かけなければなりません。

睡蓮060722

温帯スイレン
ハスもスイレンも午後になると花を閉じてしまうので、休日は寝坊をしていたい私とは相性が悪い・・。

子ツバメ060722

公園内の周回道路に巣立ちしたばかりと思われるツバメの子が何羽も羽を休めていました。広大な芝生広場もあるのに、何故かアスファルトの上が好きなようです。しばらく休んでは飛び立ち、ひとしきり空中で戯れ合い、また降りて来て休み・・の繰り返し。こうして、渡りの季節になるまでに上手に飛べるようになるのでしょう。道路で休んでいる子ツバメは人をあまり恐れないようで、2メートルくらいに近づいても逃げません。人家の軒下に巣を作ることから考えても、人とは上手く付き合って来たという事でしょうか。一方、スズメは・・・すぐ逃げちゃいますね。すずめ焼なんていう料理があるからかなあ??

えごの木060722

エゴノキの実

猫足060722

エゴノキに変なもの発見!!
まるで花のように見えますが、これは通称「エゴノキネコアシ」=「エゴの木猫足」
アブラムシの一種による「虫えい」です。おそるおそる割ってみると、中には沢山のアブラムシがいました。アブラムシの出す何らかの刺激(物理的?、化学的?)で植物の葉が変形して、このような姿になってしまうのですが、とても不思議ですね。
エゴノキは落葉樹、冬が来れば中のアブラムシ達も枯葉と運命を共にするのでしょう。では、どうやって越冬するのでしょうね??

ニイニイゼミ060722

エゴノキの枝に蠢くものを発見!
羽化しようとしているセミでした。普通は夜中に羽化が始まるそうなので、これは私同様のお寝坊さんなのか、それもと気が早いのか?? 周囲が明るいのでじっくり見物出来ました。あっという間に羽を広げるのですね。話には聞くのですが実物を見るのは初めてでした。セミの種類は良く判りませんが、たぶんニイニイゼミです。


アカメガシワ060722

園内にはいたるところにアカメガシワの木が生えています。たぶん勝手に生えてくるのを放置してあるのでしょう。生長が速いのであっという間に大きな木になってしまいます。
この木をよく見ていると、アリがしきりに上り下りするのが観察されます。葉の基部(葉柄に近いところ)に蜜腺が2つ(矢印)あり、そこから出ている蜜を採りに来ているようです。蜜腺は普通は「花」にあるものですが、このように花以外の部分にあるものを「花外蜜腺」と呼びます。花の蜜腺は、花粉を運ぶ昆虫のためのご馳走ですが、花外蜜腺は何かに役立っているのでしょうか? アリを積極的に呼び寄せて害虫退治に役立てているという説があるそうです。

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