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大福山(千葉県市原市)

備忘録

2006年9月16日、ポスドクのSさんが実験材料に使いたいということで、同じくポスドクのAさん、私の3名で、市原市大福山にサツマイナモリ(Ophiorrhiza japonica)のサンプリングに行きました。台風13号が接近しているため週の初めには雨の予報でしたが、前日の金曜日、晴れ間がのぞくだろうとの予報を見て急遽行く事になりました。

サツマイナモリ属は熱帯アジアを中心に100種以上が分布していて、サツマイナモリはその中でも最も北まで分布域を広げている種です。関西ではそれほど珍しい植物でも無いそうですが、関東地方では千葉県の清澄山~大福山あたりを中心としたごく限定された地域にのみ自生しています。2001年7月に清澄山や三石山付近を探索した折には沢山のヤマビルに悩まされるばかりで、肝心のサツマイナモリは長時間歩いた割には数株しか見つけられませんでした。

北側斜面

自生地のある斜面。
観賞用としてもパッとしませんし、特に役に立つような利用方法も無いのですが、個体数はそれほど多くないので詳しい場所は伏せておきますね。沖縄で観察したチャボイナモリと同様、木陰で湿った場所が好きなようです。

群生

かなり大きな群生株です(真ん中にあるツヤのある葉は別の植物です)。
開花期(4月ごろ)には白い小さな花が沢山咲く事でしょう。

サツマイナモリ1

草丈は、大きな個体でも15cmほどです。
暗い場所なのでカメラの感度を1600まで上げて撮影したため、画がざらついてしまいました。

サツマイナモリ2花芽

数本は茎の天辺に小さな蕾を着けています。開花まで半年以上待つのでしょうか? それとも早咲きの株があったりするのでしょうか?

カンアオイ2

サツマイナモリ属植物の自生する場所はカンアオイも好きなようで、色々な個体を見る事が出来ます。同種なのか別種なのか、カンアオイには詳しくないので機会があったら調べることにしましょう。

カンアオイ

白い筋が一本目立つ個体。

ツルアリドオシ

ツルアリドオシの果実。目が2つあって面白い形ですね。
林床の暗い所から日当りの良い乾燥した所まで広く見る事が出来ますが、開花結実出来るのは日当りの良い場所に育つものに限られているようです。サツマイナモリと同じアカネ科の植物です。

清澄山方面

清澄山方面を望む

ツルボ

車道脇にツルボが沢山咲いていました。

タマアジサイ

タマアジサイ
蕾が苞に包まれて玉型になるアジサイ。随分前に開花し終わった枝も多数見受けられる一方、未だ蕾も見られる事から、開花期が長いと思われました。

弘文洞跡

サンプリングの後、養老渓谷の弘文洞跡付近を散策しました。
渓谷と言っても、千葉の山ですから流れは緩やかです。

ムカゴイラクサ

不思議な植物発見。ムカゴイラクサ。
脇芽が零余子になってしまうようですね。

車で午前9時出発、松ヶ丘~館山自動車道経由~姉崎袖ヶ浦インター、大福山、養老渓谷、国道297号経由で午後4時半ごろ帰着、片道2時間の植物探索でした。
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サツマイナモリ、チャモイナモリにしろ植物研究対象になるのは薬草としてですか、それとも特異な形質をもっているのですか。
ツルアリドウシの実は目を二つ持っているのは面白いですね。初めてみました。
千葉の自然散策も花あり、渓谷ありでなかなか良いものですね。

高柳

ちょっと間があいてしまったので判りにくくなってしまいましたが、チャボイナモリについては「沖縄植物探訪2001夏(5)」で紹介したとおり、カンプトテシン資源植物として種々の実験に使いやすいという特徴を持っています。千葉のサツマイナモリはチャボイナモリの近縁植物ですが、カンプトテシンを含んでいません。成分生合成遺伝子の進化を考える上でも興味深い植物群だと考えています。植物探訪の備忘録として書いている面が強いので、読みにくくてすみません。

曖昧な質問で申し訳ありませんでした。
チャボイナモリは先の沖縄レポートでカンプトテンシン産生植物として毛状根培養研究がされていたことは承知していたのですが、カンプトテシン以外の植物研究目的は何なのだろうと思ったのです。それは成分生合成遺伝子の発現メカニズムを考える上で有用な植物なのですね。納得です。
ところで話しは変わりますが、先日の新聞記事(朝日06.8.31)で遺伝子組み替え植物(GM)は時代遅れで、マーカー利用選抜(MAS)を利用した品種改良法が紹介されていました。技術的によく理解できませんが、新種開発に要する時間が半分に短縮され、環境汚染のリスクもGM作物より低減されるということです。機会があれば教えて下さい。

高柳

カンプトテシンを作る遺伝子を知る事も大切なのですが、その遺伝子が植が進化する中でどのように出来て来たのか・・もまた興味深い事と思います。アジアを中心に100種以上あるとされるサツマイナモリ属の中で、カンプトテシンを含む種類は数種に過ぎません。これが地理的に隔離した地域に分布しています。これらの遺伝子(塩基配列)を比較することによって、「植物はどのようにしてカンプトテシンを作るようになったのか」という問いに対する回答が得られるのではないかと考えています。

マーカー利用選抜・・は、遺伝子組換えとは本質的に異なる技術ですので、比較して論ずるのは執筆者の理解不足によるものと思われます。育種(品種改良)は大きく分けて2ステップからなります。即ち、step1.遺伝子の組合わせの多様化(同種内の交配や異種間交雑など)、step2.目的とする形質を持った個体あるいは集団の選抜・・です。同種内あるいは交配可能な別種に目的とする形質があれば、従来からの交配育種で目的遺伝子を取り込む事が出来るのですが、交配親和性には種間の障壁があるため、交配出来ない生物から目的遺伝子だけを組み込む技術=遺伝子組換え技術の登場となった次第です。

交配育種では、遺伝子の数によって数千に達する個体を扱う事になるため、交配組み合わせと選抜の効率化が要求されます。そこでマーカー遺伝子の登場となります。遺伝子レベルで判断出来れば、例えば早期選抜が可能となります。ただし、交配可能な植物間にしか適用出来ませんから、遺伝子組換えと比較するような技術では無いでしょう。

私は、交配育種と遺伝子組換えを比較して安全性を論ずるのはナンセンスだと考えています。例えば、交配育種にしても、例えば地理的に隔離していて自然では出会うことの無い2種の植物を人為的に交配する事もあり、そうして出来た植物が人間に安全であり、環境にも負荷を与えないとは言い切れないと思うのです。遺伝子組換え植物をモンスターとかフランケンと呼んで恐怖心を煽る者が居ますが、その伝で行けば異種間交配もまたフランケンだと言えるでしょう。元の記事を読まずに言うのも何ですが、最近の新聞記事は知識不足のままにイメージで判断、センセーショナルな書き方でばらまかれるので困ったものだ・・・と思っています。とりあえず元記事を詳しく調べてみることにしますね。

マーカー利用選抜

ざっと検索してみると、日経のバイオテクノロジージャパンにこんな記事が出ていました↓。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=762

知識の無い一般市民に、「Aは良いけど、Bはとても危険」という結論を前提に、その結論を裏付ける適当な事例を半端な知識で恣意的にちりばめる人なんじゃないでしょうかね? 不安や危機感を煽るのが目的でしょうから、A,Bどちらについてもたいした知識は持っていないと考えておいて間違いなさそう・・・突き詰めれば、どちらでも構わないんじゃないのでしょうかね。講演代をもらったり、書籍が売れたり、勘違いしたスポンサーからサポートを受けたり出来れば良いのですから。ただ、我々としては、こういう人達が、具体的な課題解決の能力を欠いているという事を忘れてはいけないと思います。ダイオキシン、環境ホルモンは何処に行ったのでしょう?? 結局、暇人の言葉遊び。
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花好きおじさんの園芸と植物に関するあれこれ。
たまに作り話もあるので要注意。

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