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芳香性雑種の育成

ヘレボラス属は、俗にクリスマスローズ属と言われますが、これは原種H. niger(ニゲル)がクリスマスローズと呼ばれる事に由来しています。クリスマスローズという呼称が大衆受けするため、レンテンローズやその他の近縁種までもがクリスマスローズと呼ばれるようになってしまいました。商業的なご都合主義で十把ひとからげにされてしまい、本来の名前が持っていた文化的な背景が失われてしまったように感じます。

さて、呼び名の話はともかくとして、あふれるように咲き誇ったヘレボラスにバラの香りがあれば素晴らしいと誰もが思うのでしょうが、残念なことに普段目にするレンテンローズやクリスマスローズには香りがありません。今最もポピュラーなレンテンローズ(ヒブリダス)は、かつてオリエンタリスハイブリッドと呼ばれた事から判るように、原種オリエンタリスをベースに個体選抜や種間交雑によって成立しました。オリエンタリスには香りがありませんから、レンテンローズにも香りが無いのは当然のことと思われます。

種間交雑と言いましたが、ヘレボラスの原種には柑橘系の芳香を持つものが数種あります。これらは利用されなかったのでしょうか? 調べてみると、ヘレンバラードは黄花個体を育成するために、原種オドルスを多用したようです。オドルスはその名の通り、芳香のある原種です。しかし、香りのあるレンテンローズが皆無である事を考えると、芳香形質は劣性遺伝するのかも知れません。また、「黄花」という育成課題が優先ですから、香りの選抜には注意が払われなかったとも考えられます。

そこで、香りの遺伝を確かめるために、ホワイトピコティ x オドルスの交配実験を行いました。運が良ければグリーンピコティの芳香株が得られるはずです。
香りの育成

それで、今年咲いた花はこれです。
右が花粉親のオドルスで、ホワイトピコティーとの雑種が左です。

香りの種子親(マザーピコ)

例によって、ホワイトピコティ(今回は種子親)はこれです。

種子親のピコティという形質は優性形質ですが、ヘテロであるためF1ではピコの有無が1:1に分離します。最初に咲いたのはピコ無しでした。さてさて、香りの方はどうでしょう・・・??

さして期待していなかったのですが、ちゃんとオドルスと似た香りがするではありませんか!香りの質や強さを比較するのは難しいのですが、もう数日かけて比べてみようと思います。とりあえず、芳香性はF1でも顕れるようですから、芳香性雑種の育成も夢では無さそうな感触を得ました。グリーンピコティーの芳香花は出て来ないかなあ・・・。
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テーマ : ☆クリスマスローズ☆
ジャンル : 趣味・実用

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こんにちは。

私、ヘレボの香りって全部青臭い物ばっかりだと思い込んでました。
この頃、いろんな方のブログへお邪魔しては、いい香りがあるっていう記事を読んで
しまったぁ~と思っています。
それならもっと香りのある原種を探せばよかったなぁ~と・・・

これからは、みなさん購入されるだろうし
もっと見つけ辛くなるでしょうね。

香りのしない固体からも、実生で香りのある固体が出る可能性ってあるんでしょうか?
↑、すっごい素人の質問ですねぇ~ (^^ゞ

香りのある原種

もみじさん、いらっしゃいませ~。
キンポウゲ科の花は、青臭かったり薬品臭かったりすることが多いですね。香りがある原種として有名なオドルスも臭い個体があるとか。あと、香りの感じ方には個人差もあるので、香りの良し悪しは自分で確認した方が良さそうですね。

今のところ香りのある原種はオドルス以外に、ボッコネイ、リグリクス(ボッコネイと近縁)、キクロフィルス(シクロフィルス)が知られていますが、我が家にはオドルスとボッコネイしかありません。苗が販売されていない頃(今は販売されているのでしょうか?)だったので、種子を播いて育てました。

香りの無い個体から香りが出る確率ですか・・・たぶん、育成の過程で消えている可能性が高いと思います。我が家のヒブリダスに限って言えば、香りを感じた事は無いんです。そういえば、高杉さん、今年の原種リストが未だ出てないようですね。

オドルスとボッコネイ(yellow)の苗が余ってますから差し上げましょうか?? 未開花なので香りを確認していませんし、余剰苗なので植え替えしていませんが(根が詰まってる~)、それでよろしければ・・ですが。

こんばんわぁ~

今年はさすがに香りにある原種探しの旅には出れそうもないので来年においておきます。
やっぱり「自分の鼻で!」ですよね。
バラで言うと、ERのグラハムトーマスの香りが好きなんです。
そんな香りのするヘレボってあるんでしょうか?おバカな質問ですね。

私は、リグリクス、キクロフィルスの苗の販売って見たことないです。どうなんでしょうか?
販売してるところがあれば、行きたいですね。
いろいろなところをふらふらしてるつもりなんですが・・・

種のほうが比較的入手しやすそうですね。
大木さんのところなら扱ってくださるかも♪
数年前、乾燥ダネを全滅させてから敬遠してますが、
それなら外国産の種も再挑戦してみようかなと・・・

やっぱり香りのない品種からは無理なんですね。
まだ咲いていないですが、オドルスは家に1株あるんで、そのこの実生からでも!なんて
都合のいい事を考えてたんですが。(--ゞ

ホントですか?
今年もまたいただいちゃってもいいんですか?
とってもあつかましいですが、いただけるなら嬉しいです。
よろしくお願いいたします♪

香り~

>ERのグラハムトーマスの香りが好きなんです。
おお!懐かしい品種名。ティーローズの香りですね。レディーヒリンドンも素敵ですよ。
ヘレボでこの系統の香りには出会ったことが無いですね~。と言っても、いろいろ試したわけでも無いので、探せばあるかも??

原種の苗の販売はあまり見かけませんね。ニゲルくらいでしょうか。たぶん売れ残るので、大手でないと仕入れるのは難しいでしょうね。種子も苗も大木さんか高杉さんにお願いすれば大丈夫じゃないでしょうか。香りを確認してとなると難しいですけど。

外国産の種子は賭けですね。全く発芽しないこともありますし、逆もまたありますから。

そういえば、1株あるオドルスは我が家から行ったやつでしょうかね?2株あると種子がとりやすいかも知れないので、追加送りましょうか? 送り先の確認のため、後でメールしますね。

反応してくださると思ってました♪
育ててらしたんですよね。

あったらいいですねぇ~
バラも香り優先で購入しているぐらい、香りに弱かったりするので
これから花が咲くたびに、鉢を持ってクンクンしてるかもしれません。

そうです!送っていただいた株です。
今年は蕾が見当たらないので、もしかしたら咲かないかもしれません。
家の環境が過酷過ぎたでしょうか?

あの、申し訳ないんですが
メールアドレス、変わってるんです。
こちらからもメールさせていただきますね。

はじめまして

conoconoさん、こんにちは、はじめまして。
ヘレボの3倍体について検索をしていてconoconoさんの記事を見つけました。
ヘレボの不稔性について教えて頂きたいのですが・・・

不稔性の固体がよくありますが、それは3倍体なのではないか・・?と思ったりしているのですが、conoconoさんはどう思われますか?

更に、私は素人なので、3倍体もあるのなら、4倍体の固体もあるのでは?と思ったりしています。
というのも、花の大きいオーストラリア系だとは思うのですが、他の同時期に購入した苗よりもあきらかに多花性で花がやたらと大きい個体があるんです。
(同時期に購入した苗は同系統(同交配?)のものと思われます)
成長も他の物よりも早く、今年はとてもたくさんの花を咲かせています。
多花性も花色と同じように、個性の一部だとしたら4倍体ではないと思うのですが、ヘレボにも不稔性があるように、4倍体の固体もあるのではないかと思ったりしています。

それと、原種でも色幅があったり、ダブルやセミダブルが自生地で発見されたりするので、ヘレボラスは突然変異の起こりやすい種なのではないか・・?とも思っているんです。

conoconoさんはどう思われるでしょうか?

突然の投稿で、こんな事をスミマセン。^^;

不稔の原因

ムッシュさん、いらっしゃいませ。
ヘレボラスの交配を楽しまれている様子ですね。

私の経験では、シングルで不稔性の個体は少ないように思いますがいかがでしょう? オーストラリア系との事ですが、ダブル品種であるミセスベティーラニカーは不稔個体が多く出ます。

まず倍数性の問題ですが、3倍体に起因する不稔性は十分考えられると思います。ただ、おっしゃるように、3倍体の種子を得るためには2倍体と4倍体が必要ですね。2倍体から直接3倍体が出現する事も考えられなくも無いのですが、その頻度は随分低いものでしょう。また、一般的には倍数性が増すほど生長は遅くなります。いずれにしても倍数性を調べない事には何とも言えないので、もしチャンスがありましたら地元の大学や研究機関に相談してみては如何でしょうか?フローサイトメーターというDNA含量を測定する機械を持っている所なら、割合簡単に測定する事が可能です。

次に不稔性の原因を考えてみましょう。一般的には、遺伝子に支配されている場合(自家不稔等)や、花粉等の生殖細胞が未発達などの原因が考えられます。ヘレボラスの不稔では、私の知っている限りで次の2例があります。

1)自家不稔
 シングル花で、自家受粉しても全く種子をつけない個体があります。ところが、この花粉を使って他の個体に授粉すると種子をつけますし、他個体の花粉を授粉させて種子親にする事も出来ます(花粉親にも種子親にもなれる)。つまり生殖細胞や生殖器官には問題が無いのに、自家受粉を防ぐ仕組みがあるのでしょう。ただ、自家受粉しない個体はそれほど多くは無いようです。

2)生殖細胞が未発達
 ダブル花では、雄しべや雌しべにまで花弁化の影響が及んでいて、生殖機能が失われる事があります。オーストラリア系のダブル花では、花粉が出ない個体が良く現れます。花粉が出ない個体では、他の株からの花粉を授粉しても種子が出来ない事が多いようです。

上の2例には当てはまらない例として、手持ちのシングルで全く種子をつけないのが1株だけあります。ちゃんと花粉も出るのですが、原因不明です。


最後に突然変異についてです。
突然変異が起こりやすいかどうかですが、特にヘレボラスが変異を起こしやすいようには思われません。今はブームなので、変異した個体が見つかりやすくなっているという事はあるでしょうね。特に、原種の花色のバリエーションは突然変異というようりも、花色を作る多数の遺伝子の組み合わせの違いだと思います。原産地には何万年という年月の間に突然変異を起こした遺伝子が多数存在すると考えられます。それらの組み合わせの違いによって花色のバリエーションが生まれているのでしょう。人間でも兄妹が全く同じ顔をしていないのと同様です.顔の違いは突然変異ではありませんよね。

もちろん、突然変異が皆無という意味では無く、あくまでも頻度は非常に低いということです。非常に大雑把に言って、自然突然変異は数万個体に1つ起こるくらいでしょう。しかも突然変異の多くは劣性なので、我々の目にとまるようになる確率はさらに低くなるでしょうね。

奥の深い問題なので、参考になりましたかどうか・・・。

有難うございました。m(__)m

conoconoさん、詳しく解説して頂き、有難うございました。m(__)m
とても参考になりました。

>一般的には倍数性が増すほど生長は遅くなります。
という事は、私が4倍体では?と思っている株はただ単に、個体の持つ個性なのかもしれない・・と思いました。
この個体が雌蕊、雄蕊の数が異常に多かったのも4倍体では?と思った要因の1つでした。

又、不稔についても、不稔=3倍体では?と思うのは性急な考えだと思いました。^^;
ただ、自家受粉出来るヘレボが多い中で、不稔のシステムは違いますが、キキョウや桜草のように他家受粉が出来ても、自家受粉が出来なくなる個体が出現するというのはとても面白いと思いました。
ダブルに関しも、蕚や蜜腺が多弁化するヘレボでも、生殖機能に影響が出る事があるのですね。
とても勉強になりました。

実はconoconoさんにお伺いしてみようと思ったの事の一つに、最近、私の友人が育てている‘ゴールドネクタリー’と呼ばれるシングル花の花粉が全く出ないという事がありました。
又、私や友人の間でも、種が全く出来ない株がある(殆どがクロス交配なのですが・・)というのは話題になっていて、以前から疑問に思っておりました。

今回、詳しくお伺いできて、本当に良かったです。

又、変な質問を持ってお邪魔するかもしれませんが、どうぞ宜しくお願い致します。m(__)m

ムッシュさま

たしかに蘂の数がやたら多いのがありますね。どうなっているのかなあ・・・。キンポウゲ科の植物は、蘂の数や花弁(正しくはガク片あるいは花被片)の数が決っていないので、株の体力によっても随分違ってきますね。

‘ゴールドネクタリー’は素敵な花ですね。輝くような色合いで、見ていて元気が出ます。それで、花粉が出ませんか・・。
全くの推測ですが、黄色や黒などの特殊な色の系統は、近親交配(あるいは自家受粉)が進んでいるのではないかと考えています。そのために劣性形質が顕在化したのでは?? 自殖弱勢と言いますが、セルフや少ない株間で交配を繰り返すと問題になります。多かれ少なかれ植物は自殖を嫌いますが、ヘレボに自家受精しない株がある(自家受精を防ぐ仕組みが発達しつつある?)ことを考えると、自殖弱勢が起こりやすい植物であることが想像出来ます。

大雑把な説明ですので、ご不明なことも多々あるかと思います。「知っている限り」(笑)お答えいたしますので、遠慮なくまたどうぞ。
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Author:conocono
花好きおじさんの園芸と植物に関するあれこれ。
たまに作り話もあるので要注意。

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