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種の壁

昨日の記事で、雪割草の花弁では外側と内側で色違いが珍しくないと書きましたが、ならば雪割草とヘレボラスの属間交配は出来ないのか?という話になったりします。ラン科では属間交配は難しく無いのですが、キンポウゲ科では報告がありません。これはキンポウゲ科では属間の遺伝的な違いが大き過ぎるのが原因と思われます。正常に受精し種子が出来るためには、花粉が柱頭で正常に発芽・伸長することから始まって、相同染色体が一致する事、ゲノムサイズが一致することなど、様々なレベルでの「親和性」が必要です。キンポウゲ科は進化的に古い種族であるため、種や属が「分家」してからの年数がとても長いので、その間に交配が成立するための親和性が失われてしまったのでしょう。

これを「種の壁」と呼びますが、この壁を飛び越える技術が遺伝子組換えということになります。交配が不可能な種類から目的とする遺伝子だけを取り出して他の植物に組み込む事によって、目的の形質だけを組み込むことが出来ます。花の世界では、サントリーの青いバラが有名ですね。この技術を使うには、必要な遺伝子が判っていることと、組み込む植物の組織培養技術が確立していることが条件になります。残念な事にヘレボラスではメリクローンまでしか成功していません。

そういえば2~3年前にヤフーオークションを見ていて驚いたことがあります。ヘレボラスと雪割草や節分草との交配種子と称するものが販売されていたのです。さらに購入していた方もあったように記憶していますが、その後どうなったものか。恐らくただのヘレボラスの種子であって、普通のヘレボラスが発芽したものと思われますが、ヘレボラスブームに便乗したあまりの悪のりに気分が悪くなりました。誰が出品したのか判りませんが、もし専門業者であれば技術的にも商売的にも全く信用ならない人間であることに間違いありません。



* 「種の壁」=「しゅのかべ」と読みます。「たねのかべ」ではありませんので御注意。

* 当ブログでは・・・「タネorたね」=「種子」とします。また、「種」は、植物分類学上のspeciesを意味する単語としてしか使いません。さらに、園芸ブログですので、「品種」は特にことわりの無いかぎり「園芸品種」を示すことにします。
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テーマ : ☆クリスマスローズ☆
ジャンル : 趣味・実用

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お久し振りです。
雪割草と交雑したと云うその話、私も聞いて驚いた当時を思い出しました。
よもやまさかと思いつつも、私の様なド素人を困惑させるには事足りたようでして…
やはり無理なのですね?お陰さまですっきりしました、有難うございます。

出品者はプロの方だったと聞いています。
事実だとすれば、洒落のつもりだったとしても、流通させた事に呆れますね。

やはりプロの可能性が高いですか・・・本当にプロならとても悲しいことですね。素人が万にひとつの可能性を信じてチャレンジするのは楽しいことなのかも知れませんが(私は可能性ゼロと考えてますけど・・)、プロがそれをやっては拙かろうと。そういうと必ず「可能性」や「夢」を売っているのだという人が出てきますね(苦笑)

ヘレボラスが商業的に栽培されるようになって未だ10年足らず。例え「プロ」でも他の植物に比べれば素人同然と考えて良いでしょう。しかし、ブームということで競争だけは厳しくなって行くので、仕方なく「夢」をちりばめたり、何らかの「権威づけ」(海外の有名ナーセリーから導入や学術的な裏づけがあるかのような言動等)で飾ることに苦心しているように見えます。それが、私には素人が素人を騙しているようにしか見えないのです。

折角良い植物なのですから、プロにはもうちょっと長い目で取り組んでいただき、素晴らしい「ヘレボラスワールド」を作ってもらいたいと思います。今のままでは、単発の打ち上げ花火で終わってしまいそうな気がします。

・・・昨今のヘレボラスの状況を見ていると、どうしても苦言っぽくなってしまってすみません。

こんにちは (^^)

あれから、時々・・ |_・)チラ お邪魔しています。

conoconoさんも嘆いてらっしゃいますね~

最近、ヘレボの現状に嘆いてらっしゃる方が多いように思いますが、私は楽観視しています。(^^)

上記の生産者さんは、特別なお方?なので無視して下さって大丈夫かと思います。(笑)
(当時、私も仰天して、笑ってしまいました)
私の知っているプロの方は皆、真面目に育種に取り組んでらっしゃる方ばかりです。

お祭り騒ぎもいずれ落ち着いて、オークションでの高値取引もそれ程でもなくなっていくのではないでしょうか・・・
(雪割草の銘品に比べれば、ヘレボラスの高値などまだまだ可愛いものだと思いますが・・・)

あはははは・・・

ムッシュさま、おひさです。
あの種子ご覧になりましたか!(笑)
みなさんちゃんとチェックしているんですから、悪戯がすぎると痛い目にあいそうです。

雪割草は私も好きで展示会なども見に行きますが、ものすご~い値段が付いていますね。買う人はいるのだろうか?とかどんな人が買うのだろうか?などと余計なことを考えてしまいます。でも商売の世界ですから、あれでちゃんと需要と供給のバランスがとれているのでしょうね。それはすごいことだと思います。だから、私は高値が付くことは別に問題だとは思わないんです。必需品じゃないですから、高いと思ったら買わねば良いことなので。私は欲しくても買えないので、作ってしまえ!派ですが・・(笑)

ヘレボは現在お祭り状態。だから、楽しんでいるのもいれば、悪のりするのもいる。物陰では・・・という不届きものも出るのもまあ仕方ないでしょう。いずれ祭りは終わるもの。そういう意味では私も楽観視しています。残るべきものは残るでしょう。

それで、残るべきものって何なのかなあ・・・とずっと考えていて、ヘレボラスには雪割草のような「銘品」が無いなあというのが問題点(?)にたどり着きました。ヘレンバラードやアシュウッドが有名になりすぎたのか、育種家の名前がブランド化してしまい、肝心の植物の方は属人的な判断で評価がなされているように感じています。育種家の名前なんてどうでもいいですから、心に残る「銘品」が無いと、全体として失速するように危惧してしまうんです。

本来育種家とは「園芸品種」を作る人のこと。たかだか10年2~3世代くらいの経験では品種など作れるはずもなく、選抜残りを「夢」と称して販売する人には育種家を自称しないで欲しいなあ・・・という気持ちもあります。

まあ、趣味家のひとりごとですからご勘弁ご勘弁(笑)

あります、あります

conoconoさん、こんにちは。

>ヘレボラスには雪割草のような「銘品」が無いなあというのが問題点(?)にたどり着きました。

いえいえ、「こんな株が存在するのか・・・」と目がテンになる「銘品」は存在するんです。

巷に出回っている有名育種家さんの株でも、整った完璧な花弁、模様のものは少ないです。
特にシングル、セミでは、花弁の形が少しでも乱れると、いくら綺麗な模様が入っていても買うに値しないです。

レベルの高い株を提供する育種家さんへの信頼はありますが、それでもやはりconoconoさんの仰る通り、ブランドよりも株そのものを見て判断しないと、とんだ育種クズを有り難がって高値で買うハメになりますね。(^^)

でもconoconoさん、アッシュの株はやはり凄いですよ~
レベルが高いなぁ・・・ と感心してしまいます。
ですが、こういう育種のような繊細な感性が必要な分野は日本人の得意分野なので、何れは・・・ なんて思います。

楽しみは二本立てで

ムッシュさま、こんにちは

>特にシングル、セミでは、花弁の形が少しでも乱れると、いくら綺麗な模様が入っていても買うに値しないです。

「銘品」雪割草の値段を御存知だけあって、要求レベルが高いです!

やはりヘレボラスは大量増殖が難しいというのがネックでしょうかね。種子系の固定品種はたぶん無理でしょう。折角良い株を持っていたとしても、ミヨシさんみたいにメリクロン出来るプロは多くないのが難点です。もっとも、折角の株が他のプロの手に渡って育種母本に使われるのが嫌だという人もいるでしょうけど。まあこれに関してはケチクサイコトヲイウヤロウだと思ってしまう私です(笑) 優良な花を皆で共有するには、やはり地道な株分けか、メリクローンしか無いでしょうね。この手間を惜しんではならないと思います。

なんだか今の売り方って、「この売り場で1等賞が出ました」と書いてある宝くじ売り場みたいですよね。極上株は写真だけ。売ってる未開花株のだいたいはハズレなんだから(苦笑)。それを夢というのかと問われれば否というのが私の答えです。特にプロであれば。そうそう、開花例の写真の中にシャクヤクの花が混ぜてあるのを見たときは眩暈がしました。一瞬、ついにオールダブルが出たのかと思いました。お客が夢を買ってくれるなら、そういう安易な道を選ぶ業者が出てくるという事でしょう。

アシュウッドは育種を始めてから20年ということで、決して長い経験があるわけでは無いのですが、育種母本を選りすぐった結果でしょうね。特徴ある形質が沢山出ているように思います。私もかつて随分種子を買いましたが、面白いものが沢山出ました。ただ、やはり固定度は低いようで、同じストレインでもかなり幅がありますね。最近は値段が高くなってしまったので買っていませんが、完成度は高まったものと想像しています。

繊細さ・・・私もムッシュさんの仰るとおりだと思います。細かな面に至る高い完成度は日本人ならではと思います。今までの流れで、丸弁アップライトというのがグローバルスタンダード的な、ともすれば陳腐な目標になっていますが、もうちょっと違う形質も出てきて良さそうな気がします。これだけ沢山実生をやっているのですから、そろそろ日本オリジナルの形質も出て来るのではないかと期待しています。

ラベル通りの花が咲く安心派と、瓢箪から駒に期待の宝くじ派、という2通りの楽しみがバランス良くなって欲しいなあと思うのでした。
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Author:conocono
花好きおじさんの園芸と植物に関するあれこれ。
たまに作り話もあるので要注意。

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