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遺伝子と形質

雪割草

数年前に播種した雪割草が、今年も様々な色の花を咲かせています。

白やピンク、紫、そして底白・・・展示会に行けば見事な二段咲きや三段咲き、千重咲きなどの変化咲き銘品を見る事が出来ます。これら色や形(形質と呼びます)を司っているのが遺伝子であることは、多くの方が既に学校で習ったことでしょう。

では、この雪割草の例で言えば、白花の遺伝子、ピンク花の遺伝子、紫花の遺伝子、底白の遺伝子・・・があるのでしょうか? さらに中間的な色で、薄ピンクの遺伝子、薄紫の遺伝子・・・さらに中間の・・・いくら遺伝子があったとしてもキリがなさそうです。でも最近の研究の結果では、1つの植物種に数万の遺伝子があるとされていますから、十分足りそうでしょうか?

確かに学校で習ったメンデルの法則では、エンドウの背丈や種子の形と言った一つ一つの形質に、遺伝子を一つ一つ対応させて説明されています。例えば、1つの遺伝子座に種子を丸くする遺伝子とシワにする遺伝子があって対立している(対立遺伝子)。そして、雑種一代目で現れる形質を「優性形質」、隠される形質を「劣性形質」と呼ぶ。また、対応する遺伝子をそれぞれ「優性遺伝子」、「劣性遺伝子」と呼んだりします。

さて、これから新品種を作るとしましょう。まず、どの形質が優性なのか劣性なのかが気になりますね。草丈ならエンドウでは「高い」と「低い」が対立形質になっていました。では、花の色はどうでしょう? ヘレボラスでは綺麗な赤い花がありません。そこで赤い色が沢山出て来る交配組み合わせを考えたいのですが、どの色とどの色が対立形質でしょうか?? 色が沢山あって判りませんね。メンデルの法則を応用して効率よく新品種を作出しようと思ったのに、交配する前にいきなり挫折してしまいました。仕方がないので実際に交配した人の意見を聞くと、思いがけない様々な色が出ると言います。すると、メンデルの法則は役立たずで経験則が大切なのでしょうか? でも、これではメンデル以前の19世紀に逆戻りしてしまいますね。

実は、「遺伝子」と「形質」を一対一で対応させてしまったことに混乱の原因があります。「形質」は見て判る、あるいは統計的に判る事ですが、「遺伝子」は直接見る事が出来ません。仕方なく「形質」を見て、それを決定する「遺伝子」があるものと仮定しているに過ぎないわけで、「形質」と「遺伝子」が一対一で対応している保証はどこにもありません。実際、1つの形質を現すためには複数の遺伝子が関わっている事が、メンデル以降の研究の結果で明らかにされています。例えて言えば、イチゴのショートケーキを1つの形質としましょう。これを作るには何段階ものステップが必要です。そのステップ1つ1つに異なった遺伝子が関わっていると考えれば良いのです。でも、ケーキを作った事の無い人にはどのようなステップがあるのか判りませんね。それで、便宜的に「イチゴのショートケーキを作る遺伝子」が1つあると想定するわけです。花の色も同様で、「イチゴのショートケーキ」を「赤い色素」と置き換えて読んでみてください。

さて、ある日ケーキ屋さんにイチゴのショートケーキが無かったとします。その原因は何でしょうか? きっと、何段階もある製造ステップのどこかで失敗したのでしょう。つまり表面上は同じである「無い」という形質に対して、原因となるステップ(=遺伝子)は複数あるということが解ると思います。しかし、厨房の中を知らない人には「ショートケーキを作る遺伝子」1つが壊れたように見える事でしょう。植物の厨房は細胞や組織の中にあります。我々には、遺伝子そのものやそれらが働いている様子を簡単に見る事は出来ません。現代の分子遺伝学は、これら遺伝子の機能を一つ一つ明らかにするために研究を進めているのです。

今日のポイント:
1つの形質には複数の遺伝子が関わっている。
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テーマ : ☆クリスマスローズ☆
ジャンル : 趣味・実用

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開設おめでとうございます~
conoconoさんもブロッガーの仲間入りですね!
この記事、とても分かり易く参考になりました~
conoconoさん独自の切り口がとても心地よいですね!
関連記事が出来ましたらとらば~させていただきますね~

どうもです

な 様
いらっしゃいませ~。
自分の頭の中を整理するために書いているようなもので粗製お許しを。
アナロジーを使うと、かえって解りにくくなってしまいそうで迷ってます。下手な絵を描いても解らなくなりそうなので、文章を読んで頭の中に絵を描いてもらえばと思います。間違いや判りにくい事があったらいつでもつっこんでくださいね~。
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conocono

Author:conocono
花好きおじさんの園芸と植物に関するあれこれ。
たまに作り話もあるので要注意。

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