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謳い文句さまざま

 園芸業界ではヘレボラスは最後の大型株と捉えられているようで、ブームに乗じていかに短期間で儲けるかという競争になってしまった感もある。もちろん、まっとうな競争であれば、これまでに無いタイプが出現するなど、我々消費者にとっても有益であるので大歓迎だ。ところが、単に謳い文句をひねるだけでも高価に売れるとなれば、レトリックだけに心血を注ぐ輩も混じってくる。良い商品に修辞の限りを尽くすのは当たり前のことだが、心地よい言葉で飾られた駄モノをつかまされるのは困る。長期的に見れば園芸業界全体にもマイナスであろう。ヘレボラスがどのようにお化粧されるか、そのパターンを見てみたい。他の花に比べていかに異常な状態であるかも同時に判ると思う。

1.クリスマスローズ
 単に語感が良いからという理由だけでレンテンローズを改名

2.世界にただ一つだけの花
 世界に一つだけというのが魅力的な言葉なのかどうか全く解らないが、育種家なら絶対に口にできない自己否定の言葉。全ての花に等しく価値があるというのは妄想。単に本来捨てるべき選抜カスをも金に換えようとしているだけ。

3.海外有名ナーセリーから導入
 舶来品信仰。虎の威を借る・・・。高価転売目的と、花を確認しない交配苗商法で愛用される。

4.遺伝子、DNA、メンデル、もろもろの学術用語
 一般消費者は無知と思っている井の中の生き物が愛用する煙幕戦法のひとつ。プロ中のプロに見せかけるための擬装工作にも有効。

5.育種(品種改良)
 ヘレボラス業界(?)では、やみくもな交雑で偶に出た綺麗な個体を抜き出すことを育種と呼ぶ。「世界にひとつ」と親和性があり、かつ、1つの美を皆で共有しようという気は無いため、「メリクロン憎し」となる傾向あり。

6.最新品種
 現時点では、栄養繁殖したもの以外は「品種」と呼べない状況。「品種」とは、増殖系とセットで考えねばならない。世の中に1本しかないものに品種名を付けても意味が無い。太郎とか花子とか名付けて個人的に楽しんでいれば良し。

7.長年
 ほとんどの業者は長くてたかだか10年、F3くらいまでの経験しかない。一年草の育種でも固定を含めて10年はかかるのが常識だが、素人には気の遠くなるような年月に感じるのだろう。

8.写真入りラベル
 羊頭狗肉の典型。開花例の写真をつけ、射幸心につけ込んで駄モノの苗を売る。開花例リストにオールダブル花の写真があるので驚いたら、よく見るとシャクヤクの花だった。どこからかコピーしてきた写真なのだろう。他の写真もたぶん他所のものをコピーしたと考えて良し。

9.苦労話
 いかに困難な道のりであったかを語る。その間に奇跡が起こったり幸運の女神が微笑んだりすることが多い。花の不出来を言葉で補おうという考え。花を語ることより、自分を語ることに熱心。他の花の売り文句では聞いたことが無い。


以上、思いつくままに・・
単品で使用されることは稀で、複合して使用される。売り口上なら次の骨格をベースにして使用する。

1.昔からやっていた(正統性)
2.誰も見向きもしなかった(先見性)
3.海外動向調査(先端性、知識力)
4.丹念な実験(技術力)
5.壁の突破(根性と幸運)
6.少量生産(優秀性、希少性)

例えば・・

「我々は、クリスマスローズが流行する以前からこの花に着目し、海外からの優良株の導入に努めると共に、遺伝学の習得や数多くの交配など、苦節10年の末に世界にたったひとつの最新品種を皆様にお届けすることが出来るようになりました」

などと使う。「クリスマスローズ」の部分を他の単語に置き換えても良し。例えば・・

「我々は、食品の安全性が問われるはるか以前からこの問題に注目し、海外から最先端の学術情報収集に努めると共に、自然農薬の開発や無肥料栽培法の開発など、苦節10年の末に奇跡とも言えるほど美味で健康に良いツマミナを皆様にお届けすることが出来るようになりました」

万能テンプレートか?

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