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キンモクセイと温暖化

「キンモクセイ 温暖化」でgoogle検索をしてみると、例のぶっ飛び天声人語が大学入試(筑波大・情報(メディア創成))の小論文課題として使われたそうです。メディアとのつきあい方に関しての良い題材になるような気もします。

「地球温暖化」は国を挙げての産業施策のキャッチフレーズという様相になってきたので、この頃は全ての事象は地球が温暖化していることを前提に解釈されるようです。ですから、キンモクセイの開花期が早かろうと遅かろうと、あるいは乱れまくっていようと、全ての道は温暖化に通じることになっています。その道を行くあなたの背中を押すのは、エコっぽくて、ノスタルジーに満ちた「上農」だったり「村の古老」だったりするのです。いったい彼らは我々をどこに連れて行こうとしているのでしょうね? 私はまだお迎えには来て欲しくないですし、町中で育ったためか村にも農にも懐かしさや親しみを感じません。

さて、「温暖化」のような絶対真理的前提でものごとを見ることを、一般的には「色眼鏡で見る」と言うわけですが、長年の紫外線照射の影響で白くなってしまったレンズを通して見る世界は真の姿とは大きく違っているかも知れません。誰もが「色眼鏡」からは自由になれないので、少しでもクリアな世界を見たいということで、客観的なデータを集めることが重要になります。もちろん、自分自身でデータを取ることも大切ですが、数年だけの記録では誤差が大きすぎて判断を誤ることになるでしょうから、なるべく長いスパンの記録が欲しいものです。出来れば50年とか100年とか・・・。そういう長期間のデータが、たった数年間の個人的経験による判断の誤りを修正してくれるでしょう。

残念ながら、ネット上にはキンモクセイの開花日のデータはほとんどありませんでしたが、横浜市環境科学研究所の発行している2008年の報告書に「横浜市こども植物園における気温変動による植物開花日の経年変化」という報告に若干キンモクセイについての言及が見られました。pdfファイルで全文がダウンロード出来ますから、興味のある方は読んでみてください。

この報告書に、横浜市の、この60年間の年平均気温の変化を示すグラフが出ています。
横浜気温変動

この27年間で約1.5℃の上昇傾向が見られ、特に80年代後半からの著しい上昇傾向が見て取れます。また、この100年間では約2.6℃の気温上昇が見られたそうで、そのうち1.6℃はヒートアイランド現象によるものと推測されるとのことで、ヒートアイランド現象プラス温暖化が横浜市での気温上昇の原因と考えられるようです。

この27年間、41種の植物の開花日を記録し、まとめたのがこの報告書で、開花期が早まったもの、遅くなったもの、変化しないものに分けられました。開花時期が変化しない傾向にあるものが次の7種で、調べた花木の29%にあたります。

トサミズキ、カンヒザクラ、クヌギ、ミズキ、ノイバラ、ハマボウ、キンモクセイ

このうち、トサミズキ、カンヒザクラ、ハマボウ、キンモクセイは1980年代後半に早くなる傾向もあるらしく、トサミズキやカンヒザクラのように春咲きのものは解りますが、キンモクセイが早くなる傾向もあるというのが不思議です。ただ、キンモクセイの開花ピークは複数回あるという特性を踏まえての「傾向」なのかどうか不明です。

先日の記事にも書きましたが、やはりキンモクセイの開花時期はこの50年くらい変動していないと考えてよさそうです。気温の上昇があったにも関わらず。

「温暖化」という色眼鏡で見てたので、キンモクセイの開花時期のゆらぎという現象が、温暖化の影響という解釈につながってしまったと言えます。実際にはキンモクセイの開花時期は変動していなかったのですから、色眼鏡が真の姿を隠してしまったとも言えるのです。天声人語に倣って言えば、このようなキンモクセイのイタズラとも言えるような花芽の仕掛けは、人々がかけている色眼鏡に気付かせるひそやかな鐘とも・・・(笑)さらに言えば、最近流行の「役に立つ(=すぐ金儲けになる)科学」的な発想に対する警鐘とも・・・。答え(=解釈の仕方)が既に決まっているのなら、わざわざ研究などしなくても良いでしょうし、真の姿が持つであろう意外性(キンモクセイを例にすれば、多段咲きという現象やその仕組み)に目を瞑ることになりそうな気がします。

話は変わりますが、キンモクセイは沖縄には無いという話を聞きました。昔から有名な植物ですから、誰か植えたことはあるのでしょう。それが育たないのか、開花しないだけなのか???

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こんにちは

コノフィツムつながりでやってきました。
なんでも温暖化のせいにする朝日新聞(購読してますが)と古館一郎が苦手なもので、このコラムは胸がすく思いでした。また寄らせてもらいますね。

pinguicula さま、はじめまして。
虫取りファン兼務でしょうか?

私は、古舘氏は大衆の代弁者的な立場なのだと思っていて、平均的な日本人の言いたいことをインパクトのある言葉で語っているのだろうと勝手に解釈しています。随分前の話ですが、ラジオで「農薬なんて全く必要の無いものをわざわざ使って栽培しているのはどういう事なのか!ケシカラン」というような話をしていてウンザリしたことがありますが、おそらく大半の日本人はそう考えているでしょう。最近では「頑張っているのはスポーツアスリートばかりじゃないんです」とノーベル賞受賞者を紹介した時にはコケました。スポーツ選手が基準か?って。まあ、一般的にはそうなんでしょうね。
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花好きおじさんの園芸と植物に関するあれこれ。
たまに作り話もあるので要注意。

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