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交配の目標

これまで遺伝のメカニズムについて概略を説明して来ましたが、ここで中休みして、趣味家としての「交配の目標」について考えてみたいと思います。あまり難しく考えずに、適当に交配して出て来たものを楽しめば良いというのも一つの考え方ですが、折角3~4年かけて栽培するのですから自分なりの目標を立てる事をおすすめします。そんなこと当たり前だ!!って? こりゃまたどうも失礼いたしましたm(__)m

従来、ヘレボラス(特にオリエンタリス系のレンテンローズと呼ばれて来た系統)はうつむいた茶色っぽい花をつけるのが特徴でした。これを、種々の原種を交配したり選抜することによって、受け咲き、カップ咲き、明るい色合いの系統を打ち立てたのが有名なヘレン・バラードさんでした。これを引き継ぎつつ、さらにダブルも加わって進んでいるのが現在のヘレボラスの改良の大きな流れでしょう。

展示会でのプロの素晴らしい株を見ると、あのようなものを自分でも作れたらなあと思うのはごく自然な気持ちと思いますし私も同感です。しかし、ひねくれ者の一面がここで顔をあげます。あの素晴らしい花の陰には一桁以上の失敗作があるに違いないわけで、それを自分でもやるのか?出来るのか?・・と。もちろん、交配の結果がどうなるかは神様だけが知っている事で、交配した時には予想もしなかった素晴らしい株が出てくる可能性もあり、そのような宝くじ的な楽しみは否定出来ません。ただ、誰に頼まれた訳でもなく「自分」が交配するのですから、プロには出来ない交配目標にチャレンジするのが趣味交配の醍醐味と思います。とは言うものの、何事にも通じる事ですが、自分なりの目標を立てるのは結構大変です。さらにそれを達成するためにはどのような株を選んだら良いのか、どのような交配組み合わせにしたら良いのか、F1、F2・・・。確かに気が遠くなりそうですが、そもそもそんなに急ぐ事ですか? ヘレン・バラードさんは60歳を過ぎてからヘレボラスの品種改良を始めました。ともすれば、10年後、20年後の目標など立てにくくなる年齢かも知れません。その気力を支えたものが今見るような姿のヘレボラス達であると思うのです。ある個体の良さというのは、何も花の姿形だけではありません。全体の姿や四季の変化、株の丈夫さなど、挙げて行けばキリが無いかも知れません。そのような全体としての「良さ」を完成させて行くには、花の時期だけで無い観察が欠かせません。ある株の中の良さを見抜き、理論に基づく仮説をたて交配し、それが正しかったかどうかを日々観察する・・・そこには、受け身や惰性でない園芸本来の楽しみがあると思いませんか? 日々の面倒な水やりも観察のための貴重な時間に変わります。そして、たまには神様からのプレゼントがあるんです。そうでなくても、20年後に自分オリジナルな系統が作れたら、こんな素晴らしいプレゼントが他にあるでしょうか。それに、観察し、考え、結果を待ち望んでいると長生きの効用もあるとか。

交配親を選びましょう。偶然に期待するのなら話は別ですが、交配が上手く行ったかどうかを考える上では、ここで全てが決まってしまうと言って良いでしょう。しかも、誰が見ても良いと思うような点は、既に誰かがやっていると思って間違いないです。自分で交配するまでもなく、数年後にはより完成度の高いものがホームセンターに沢山並んで、より取りみどりになる事は目に見えています。何でもお金に換算する事が良い事とは思いませんが、3~4年苦労した結果が数百円で販売されているのを見るのは辛いものです。

では、どのように交配親を選んだら良いのでしょうか。悪い点には或る程度目をつぶり、良い点を引き出して行く。これが基本姿勢です。どんな点が「良い」と考えるかは、その人その人です。丸弁、カップ咲き、クリアカラーはヘレンさんの価値基準でした。それに共感する人が沢山いたので、今のブームにつながった。でも、ヘレボラスの良さはそれだけですか? ヘレンさんの魔法にかかって、他の「良さ」が見えなくなっていませんか? そんな自問自答をしながら花を見ると、それまでとは見え方が全く変わってくると思います。実は、これも快感。

良いと思う形質、それを担う遺伝子を推測し、交配する。交配は会社で言えば合併みたいなものです。それぞれの遺伝子(社員)には優劣はありません。望む姿を描き、それぞれの遺伝子が能力を十分発揮出来るようにしてやるのが交配する者の仕事です。良い株と良い株を交配すれば、さらに良い株が出来ると考えるのは誰もがやる間違いです。多くの場合は親以上の結果は出ません。あるいは単なる偶然の産物に喜んでいるだけです。隠れた長所を見いだしそれを伸ばしてやるのが、難しい事ですが交配の醍醐味と思います。

ならば、お前は何をやっているのか? となりましょうね。遺伝の理論については、これからも続けて行きますので、ここでは私の交配目標を参考までに1つ紹介しましょう。私は趣味家ですから、プロの方達がどのような交配をされているのかリサーチした事はありません。既にやられている事かも知れません。何を今更と笑われるのを承知で、ご紹介させていただきます。もし結果をご存知ならご教示くだされば有り難いです。



前にも紹介した原種のデュメトルムです。いくつかの系統を導入しましたが、この株が一番小さいです。この原種は既にヒブリダスの育種に使われて来たと解説されている資料もありますが、実際のところはよく判りませんでした。とっても小さくて目立たない花を着けますが、この小型な草姿は栽培面積が狭い私には利点になります。また、葉の感触も柔らかで、全体の姿も優しい印象。このサイズで、色々な花があったら欲しいと思いませんか? 早速ヒブリダスと交配しました。交配にあたって染色体数を調べたところ数は合っていました。ただ、核1つあたりのDNA含量が違うそうです。こういう交配で得られたF1は不稔になる可能性があって、F2まで行けるかどうか判りません。

結果は・・・、残念ながら今年は開花しなかったので、また1年後の報告になると思います。ただ、葉の大きさは中間タイプ、感触は柔らかになっていたので良しとしましょう。花の色の予想ですが、緑色が被るので、恐らくは濁った暗い色になるのでは?と思います。白い花のデュメが作れれば交配親に使えるのになあ。原種から少しでも色の薄いのを探すとしましょうか。あるいは白花のヒブリダスと交配? ね、楽しそうでしょ。
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テーマ : ☆クリスマスローズ☆
ジャンル : 趣味・実用

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やる気

先生 !!
ガゼンやる気が出てきました。
年齢には関係ないのですね。
「60にして立つ」(って、この字でいいですか?)
がんばるメンに変身しよーっと。

「小さいの」ニゲルが咲き続けそうなので、これを花粉株にしてみます。

コノちゃんはどうなるのでしょう??(笑)

いつまでも気だけは若いつもりでおりましたのに、そろそろ目が・・・。ヘレボの花はでっかいので助かります。雪割草は大変!みんなルーペ片手にやってるんだもの。

コノプロ・・・サボってますなあ。アナウンスしなくっちゃね。我が家では日向は多肉、日陰にヘレボという感じで住み分けてます。
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花好きおじさんの園芸と植物に関するあれこれ。
たまに作り話もあるので要注意。

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