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ヘレボラスの遺伝子鑑定

ヘレボラスはキンポウゲ科ヘレボラス属の植物だと言うことは、ヘレボラス好きな方々であれば百も承知というところですが、科とか属とかはいったい何でしょう? 詳しい解説はおいておいて、主に花の形態的特徴が似たもの同士を集めたものと考えて差し支え無いと思います。「科」の方が大きなくくりで、「属」、「種」(しゅ)と小さなくくりになります。さらに下位の「変種」レベルになると、変種間の違いはごく僅かです。似たもの同士を集めただけなので、種と種の間がどれくらい近いのか、あるいは遠いのかは判断出来ません。そこで最近ではDNAレベルでの調査が進められています。DNAは4種類の塩基(A,T,G,Cという略号を覚えておられる方もいますよね)で出来ていて、種や個体が違えばその並び方も違います。縁が近ければ並び方が似ているし、縁遠ければ似ていない。その類似度は計算で求める事が出来ますから、形態だけで似ている似ていないと言うのに比べて非常にすっきりとします。また、何かと話題の親子鑑定などにも利用される手法の1つです。

最近はとてもとても便利になったもので、種々の植物でDNAの塩基配列がデータベース化され公開されていますから、一般の人でもそのデータを使う事が出来ます。また、類似度を計算するソフトもフリーでダウンロード出来ます。

それで、ヘレボのDNAデータを探してみました。McLewin氏が協力して類縁関係を研究した論文が出ているようなので、それを入手した方が速いのですが、今回は彼らが使ったデータ(公開されている)を用いて系統樹を描いてみました。系統樹とは縁の近いもの同士を順次線で結びつけたもので、まるで樹木のように見えることから名付けられました。

ヘレボ系統樹

使ったデータは、ヘレボラス21種、同じキンポウゲ科であるクレマチス2種とエランティス(セツブンソウの仲間)1種のものです。エランティスは、蜜腺があってヘレボと近縁ではないかと考えられていた植物です。

ざっと見てみると、クレマチス2種、それにヘレボ21種はそれぞれグループを作っていますね。エランティスは花型はヘレボと似ているのにクレマチスより縁が遠い事が判ります。

ヘレボ属の中を見てみると、有茎種であるニゲル、ベシカリウス、アルグチ~、リビヅスがひとまとまりになっていますね。フェチヅスは孤立している感じ。種間交配種の出来易さとも一致しているように思います。無茎種の中でもチベタヌスは最も有茎種に近い位置づけのようで、ピンクアイスの成功を見ると納得かも知れません。ニゲルとベシカの交配も最近成功してますね。

その他、無茎種は非常に近い位置にあって、分類が難しい事や、自由に種間雑種が出来ることも上手く説明出来ます。

フリーのデータやソフトを使って1時間ほど遊べました。
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テーマ : ☆クリスマスローズ☆
ジャンル : 趣味・実用

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頭がシェイク?

 おはようございます。
昨日は超シェイクでしたが、モーターの回転が鈍ってかなり遅くなってます。(爆)
言葉で理解できなくても、これだと何となく理解できるような??
図を見ながら、交配の構図ができる気がしてきた~。
ヘレボとクレマ、同じ仲間だったんですね。
育てバカには分からんことでした。
ありがと~~♪

相当にラフな計算&図なんですが、植物分類学や知られている交配親和性と一致しているので、まあこんなものかなあ・・・という感じです。ちゃんと論文の方を読まなくっちゃ。
こういう分析をやっていると、交配してみれば判る事!と言われそうですが、実験と分析は車の両輪に例えられる通り、どちらも欠かせません。計画無き実験や、机上の空論にならないよう心がけたいものだと思います。
あと、数値化することによって観察結果を客観視出来るので、誰が見ても納得してもらえるのもメリットですね。

キンポウゲ科には妖しい魅力のある植物が多くて、一般に「雪割草」と呼ばれるオオミスミソウの仲間やクレマチス、ラナンキュラス、フクジュソウ、オダマキ等々です。

系統樹いただきます

ヘレボラスの系統樹興味深く拝見しました。
サンシャインではDNA量にもとずく分類でちょっとがっかり。検索したらこの系統樹に当たりました。プリントさせて頂きました。
公開されているデータとソフトでここまで出来るのですね。感心しました。
知識のない私にはうらやましいしだいです。
ITSのデータだけでとても明快な系統樹になっているに感心します。もっとも、無茎種群の種の関係には異なる意見も出るのでしょうが知識のない私にはとても明快に見えます。

ニゲルがしっかりと、有茎種に含まれ議論の余地はなさそうですね。
フェチヅスが非常に古い起源を持つ種となったのは印象的です。
また、チベタヌスが無茎種群に近い関係にあること、無茎種群の各種の分化が比較的新しい時代に急激に起きたらしいことも印象的です。
氷河期にはチベタヌス的な種が広く分布していたが温暖化と共に中国に遺存種として残った、ヨーロッパ近くに分布していたものは無茎種へと進化した。こんなストーリーを考えたくなる系統樹です。 

どうぞ

ハイドランジアさま、いらっしゃいませ。
結構苦労して作った系統樹なので、コメントいただけて嬉しいです。DNAのデータは日進月歩でアップされていますから、色々な使い方で楽しむことが出来そうです。

サンシャインではDNA量測定での分類の展示があったとのこと、確かにc-valueだけでの分類は困難でしょうね。それより、なぜDNA配列のデータを使わなかったのかが不思議といえば不思議です。誰が測定したのかなあ・・・。

進化や気候変動をリンクさせて、ストーリーを考えるのは楽しいですね。そうそう、この系統樹ですが、遊びで作っただけなので、あまり信用しないでくださいね。一次情報の論文は入手したのですが、まだ読んでません。気が向いたらですが、要約くらいはアップしようと思います。

ところで、ハイドランジアさんは、やはりアジサイがお好きなのでしょうか?

サンシャイン報告

クリスマスローズの世界展:池袋サンシャイン簡単にのせてみます。種間雑種の展示。
ブライヤーローズ ニゲル×ヴェシカリウス・・・花色あまり良くない個体
ヨシノ オリエンタリス×チベタヌス・・・花色ピンクで比較的良い、とても大型の個体
サンシャイン ヴェシカリウス×リヴィダス・・・有茎種タイプ
ピンクアイス ニゲル×チベタヌス・・・花色の良い個体

DNAの分析結果が2件表示されていた。
苗・株の販売は盛んだが明るい色、形の良い花がとても少ない。展示も同様。

1.”サンシャイン”のDNA含量(相対値) 千葉大学園芸学部 三位正洋教授測定2007年 核の蛍光強度を測定比較 
リビダス、ヴェシカリウス、”サンシャイン”・・・”サンシャイン”が両親の中間になることがグラフで示されていた。
2.クリスマスローズのDNAによる分類
B.J.M.Zonneveld(2001) Nuclear DNA contents of all species of Helleborus disriminate between species and sectional divisons. Plant Syst.E.vol.229:125-130 より改変。文責 野田卯一郎として次の表があった。
原種クリスマスローズの分類 ()内はDNA含有量:pg
ヘレボラス亜属
1.ケノプス節 H.アーグチフォリウス(18.9)、H.リヴィダス(19.0)
2.グリポプス節 H.フェチダス(23.3~23.4)
3.ヘレボルス節 H.ニゲル(28.0~29.4)
ヘレボラストルム亜属
4.ヘレボラストルム節 H.ムルチフィダス(29.6~30.8)
            H.アトロルーベンス(29.6~30.8)
            H.オリエンタリス(29.7~30.6)
            H.トルカータス(29.8~30.1)
            H.シクロフィルス(29.9)、H.オドルス(30.2~30.7)
            H.ヴィリディス(30.4~30.8)
            H.プルプラセンス(30.5)
            H.デュメトルム(32.4)
5.シンカルプス節   H.ヴェシカリウス(28.3)
6.ディカルポン節   H.チベタヌス(35.7)
conoconoさん作成の系統樹とは合わない内容ですね。
ヤマアジサイにはまっています。
ヤマアジサイ、エゾアジサイ、ガクアジサイの系統関係がはっきりしません。

ありがとうございます

ハイドランジアさん、詳しい内容のご紹介有り難うございます。

種間雑種については、チベタヌスを使った明るい花色の作出に興味があります。心配なのはテベタヌスのDNA含量が他の種に比べて著しく異なるため、後代が不稔になるのでは?という事です。やはり後代が取れないとあまり面白みがありませんので。

DNA含量の分析結果の展示についてですが・・

1.DNAによる分類
Zonneveld氏の論文は読みました。DNAによる分類では無くて、亜属やセクション等の分類はMathew氏(1989年)やWerner氏(1994年)の体系に従った上で、それぞれの種についてDNA含量を測定したものです。ここで問題なのは、ヘレボラストルム節に属する種がデュメトルムを除いて全て同等だという事です。もともとヘレボラストルム節は、多様な変異を持つただ1種からなるという説もあるようで、つまり、DNA含量で見る限り、各セクションには1種だけが属する事となり、セクション分けに意味が無くなるという事になります。

最後に著者も結んでいるのですが、DNA含量の測定は、いくつかの種の判別や雑種の判定には使えるだろうということです。展示のタイトルが「DNAによる分類」となっていたのであれば、それはちょっと不適切ですね。

2.雑種の判定
Zonneveld氏の論文をうける形で、三位先生の研究室でフローサイト分析をした結果、雑種の判定が出来たという事ですね。交配ミスがあるといけないので、確認したという訳です。

Zonneveld氏は数年前、アメリカのYahoo groupsのヘレボグループで、デュメとガーデンハイブリッドの交配は可能かどうか(DNA含量が違うので)という質問をしていました。「出来たよ」と書き込んでおいたのですが、今年それが開花したので、そろそろ報告しなくっちゃ・・・。

ヤマアジサイは私も大好きですよ。と言っても、コレクションは数株だけなのですが。アナベルやツルアジサイなどとの種間雑種も作ってやろうかと交配した事もあるのですがダメでした。アジサイの系統分類・・・誰かやっていてもおかしくなさそうですが、解釈が難しいのでしょうか?

アジサイの話をさせてください

日本のアジサイの系統解析の1例に
 「RAPD分析によるHydrangea macrophyllaおよびH. serrataの系統分類」園芸学会H14年度春季大会・上町達也・○新庄康代ほか(滋賀県立大環境科学部)があります。
結果はガクサジサイとエゾアジサイが近縁で、ヤマアジサイは、九州・四国・中国群、近畿群、東海以東群の3つのグループ分かれ、九州・四国・中国群だけはガク・エゾグループに入り、ヤマアジサイ近畿群・東海以東群のグループと姉妹群の関係になる、と言うものでした。

より信頼度の高い分析方法で追試が行われ、この結果が再確認されると共に、種分化の全体像が明らかになってほしいです。

話は変わって、群馬県立農業技術センターで
トキワアジサイ(台湾)×西洋アジサイ:冬アジサイ(常緑・無休眠)として販売開始2007.1.
西洋アジサイ×ツルアジサイ
西洋アジサイ×カシワバアジサイ
西洋アジサイ×アメリカノリノキ
こんな組み合わせも成功したと報告されています。つる性のピンクやブルーのアジサイとか穂状のブルーのアジサイを想像したのですが今のところ出来ていないようです。

昨年、エリックスミシーにハイブリダスやニゲルの花粉をつけてみましたが、鞘が大きくふくらみ期待したのですが中はシイナばかりでした。F2以降を取るのは大量交配で偶然のチャンスを待つほか無いのか、シイナがあったと言うことは胚培養なら子供がとれる可能性があるのか・・どちらも家庭では無理。

私はお店で花の外側の色が明るく澄んだ色で出来るだけ長く保たれる株を探します。
先日、店頭で外側3枚が鮮やかな赤・赤紫でなく、をのせている株を見ました。横山園芸のアプリコット系と思われる。あんがい早く真っ赤なクリスマスローズが出来るかもしれませんね。

ハイドランジアさま
拙ブログで、学会発表に関わるコメントが出るとは思いませんでした。・・・つまり、ハイドランジアさまは、学会に参加されていらっしゃるのですよね? これは迂闊なコメントが出来なくなりました(笑)

それで、アジサイのRAPDですが、RAPDは簡単な反面、再現性に問題があるため、このところ系統解析には使われなくなって来ているようですね。葉緑体DNAやITS、マイクロサテライトなどを複合的に使うと、再現性よく信頼性も高い解析が出来るようになるかも知れません。こうなると、専門外がいい加減なことを言うとなんですから、また情報を仕入れてまとめてみたいと思います。

群馬県立農業技術センターの話題、私も気になっていたのですが、実物を見た方の話によると、やはりF1では中途半端な形質になってしまうようですね。カラフルなツルアジサイが出来たら、欧米人は喜ぶでしょう。案外、イワガラミの赤花品種をいじった方が早いのかも知れませんが。

エリックスミシーは、おそらく沢山の人がチャレンジしての結果だと思うのですが、不稔だそうで、千載一遇のチャンスにかけて交配するしか無さそうです。
コルヒチン処理で倍加したら稔性を回復するかも??

ヘレボの外側が澄んだ色を選抜というのは賛成です。アプリコット系は、太陽光で表皮にアントシアンが乗るように思うのですが、我が家のアプリはちょっと濁った感じです。色素はどうなっているのかなあ・・。

稔性のある雑種

ご無沙汰でーす。。
学会への参加 とんでもございません・・・
ずぶの素人です。

横山園芸の横山さんが稔性のあるヘレボラスの組み合わせを2つ上げているのを見ました。
1つは、アーグチフォリウス × リヴィダス です。この組み合わせはconoconoさんのつくった系統樹でも分岐からあまり時間が経過していないようなので、最もという感じですが。
2つ目は、ニゲル × チベタヌス だそうです。これは驚きというか意外というかか、やってみないとわからないのが自然と言うことでしょうか。
でも、この組み合わせの後代どんなものが出るのでしょう。楽しみだと思いませんか!!
人に同意を強制するようなことでもないですが。。

ハイドランジアさま
アジサイの事が気になって少々ネット探訪していたのですが、ひょっとしてハイドランジアさんはヤマアジサイの事を紹介されていませんか? 違っていたらごめんなさい。

アーグチフォリウス × リヴィダス = ステルニー で、これには稔性があるのに、バッククロスしたエリックスミシーでは稔性が失われてしまうのも面白いですね。

ニゲル × チベタヌス は当然不稔になると思っていましたので意外です。おっしゃるように「やってみなければ判らない」というのが生物の世界であり面白さでしょうね。チベタヌスの透明感のあるピンクが上手く生かせればと思います。それにニゲルの'サンセット'のように色変わりなど組合わされば面白そうです。

チベタヌスが再紹介されて数年後、山野草系のお店で開花株を買ったことがありました。根も十分張っていて、国内で一作されたように思います。既に結実したものだったので、交配には使えませんでしたし、数年で枯らしてしまいましたので、今考えても残念な事をしたものだと。

その後、中国からの山取り苗と思われるものが安価に大量に入るようになって、まともな開花株に巡り会う機会が皆無になったのが残念です。また機会があれば交配にチャレンジしてみたいです。
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conocono

Author:conocono
花好きおじさんの園芸と植物に関するあれこれ。
たまに作り話もあるので要注意。

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